ショスタコーヴィチの『24の前奏曲とフーガ』の一部を聴いた。一部というのは、第1番ハ長調、第3番ト長調、第7番イ長調である。第7番の前奏曲とフーガのそれぞれの冒頭を掲げる。
私はショスタコーヴィチという作曲家はほとんど知らなかった。大学に入って、ショスタコーヴィチに異常なほど入れ込んでいる方に出会ったが、私はショスタコーヴィチの作品は聞かずじまいで通していた。大学を卒業するまでに私が聴いたショスタコーヴィチ作品は、交響曲第5番のほかは、ピアノ協奏曲第1番、(ピアノ)五重奏曲、24の前奏曲(の一部)、24の前奏曲のフーガ(の一部)だけだったように思う。卒業してからは、ムツェンスク郡のマクベス夫人や弦楽四重奏曲(の一部)、チェロソナタなども聴くようになったが、膨大なショスタコーヴィチ作品を全部聴こうという気力はわいてこない。今年は没後50年だからショスタコーヴィチ作品は大々的に演奏されるだろうが、残念ながらついていくことができない。
それはそれとして、今日聴いたショスタコーヴィチの『24の前奏曲とフーガ』のうち、第7番イ長調は、練習して他人様の前で弾いたことがある。他にも、第4番ホ短調もやはり弾いたことがある。第4番を練習するつもりになったのは、若い人が弾いた第4番にいたく感動したことがきっかけであり、第7番を弾くことにしたのは、短くて少しショスタコーヴィチ的な諧謔がみられたからだ。だいたい、フーガの主題をすべて主和音の分散和音だけで作ってみようなどと誰が考えるだろうか。この2曲を練習するために楽譜を買ったのだが、MCA PIANO LIBRARY とあるこの楽譜の装丁は非常にお粗末で、使っているうちに背の接着剤が干からびて割れてきてしまった。ちょうどスクリャービンのソナタ集やプロコフィエフのソナタ集も同じ MCA MUSIC 社の商品で、これらもボロボロになっていて本棚に収まっている。話を戻して、ショスタコーヴィチの『24の前奏曲とフーガ』を買ったのはいつだか覚えていないが、お披露目をしたのは 1990 年の夏のことだから、それよりは前ということになる。値段は 3210 円だった。
ショスタコーヴィチの『24の前奏曲とフーガ』は、他にも練習したものがある。第8番嬰ハ短調とか、第10番嬰ト短調とか、第24番ニ短調とかである。第10番は暗譜直前まで行ったのだが力尽きた。今仮に元気があれば、第8番を練習するだろうな。
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