長沼洋八段の引退を知る
2025-05-02


日本将棋連盟のホームページを見て、長沼洋八段の引退を知った。私が長沼八段の名前を知ったのは「駒取り坊主」という異名からである。駒を取るのが好きなアマチュアは多いと思う(何を隠そう、私もそうだ)。駒取りという、プロ筋からは皮肉に受け取られかねない異名を付けられることに私は興味を抱いた。

いつのことだったか、長沼八段は「将棋世界」で初心者用の講座を1年間執筆していた。そのなかで、銭湯かどこかで、ちょっとこわいあんちゃんに、「将棋の駒の動かし方知らへんか」と声を掛けられたという。八段は「知らない」と答えたというので思わず笑ってしまった。

もう一つ、忘れられないのは、2008 年に放映されたNHK 杯戦で羽生善治を破ったことである。私はその将棋をテレビで見ていた。着々と駒を蓄え羽生の無理攻めをいなす姿に、異名に恥じない指しっぷりであることを強く感じた。羽生が投了した図を見ると、後手の長沼八段の駒台には金銀桂が各1枚に歩が10枚乗っていることがわかる。

長沼八段には引退後も指導・解説などで活躍してほしいと切に願っている。

[将棋]

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