小山実稚恵のピアノを聴きに行く
2024-03-23


小山実稚恵の演奏会を聴きに行った。事前に予告されたプログラムは次の通り。

シューマン:アラベスク ハ長調 作品18
シューマン:幻想曲 ハ長調 作品17
権代敦彦:空(ソラ)のかけら/音のしずく ピアノのための 作品194
(小山実稚恵委嘱新作・世界初演)
ショパン:ピアノソナタ 第3番 ロ短調 作品58

以上は小山実稚恵ピアノ・リサイタルからの引用である。

なぜ「事前に予告されたプログラム」と書いたのか。それは、実際の演奏順が幻想曲のあとアラベスクだったからだ。この越谷のコンサートは、岡部真一郎さんという音楽学者が進行役を務めていて、休憩のあと演奏者にインタビューする形式をとっている。実際に休憩のあと、後半のプログラムの前にインタビューもあったのだけれど、この日は特別に前半の曲が始まる前にもあったのだ。そこでのインタビューで、小山さんはシューマンへの思いを、とりわけ幻想曲への思いを熱く語っていたのだった。そのため、その幻想曲への思いが熱すぎて、つい本番で事前のプログラムとは順番を変えて、というより幻想曲を弾くという気持ちがごく当たり前のようになっていて、その流れのままに30分を弾き切ったというのが正しいのだろう。幻想曲が終わった後で小山さんは半ば照れ笑いを浮かべながら、「幻想曲を先にやりましたのでこれからアラベスクを弾きます」ということを聴衆に向けて話した。それからアラベスクを弾いた。

小山さんの熱のこもった演奏に音楽の喜びを十分感じた。アンコールは、ショパンのマズルカ第45番 イ短調 Op.67-4に同じくショパンのノクターン(夜想曲)第2番 変ホ長調 Op.9-2 だった。

[ピアノ]
[演奏会]

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