源氏物語を読み終える
2019-07-02


ようやっと、大塚ひかり訳「源氏物語」全6巻を読み終えた。いったいいつから読み始めたのか覚えていないが、5年ぐらいかかったような気がする。

私はほかの人の訳を読んだことがないからわからないのだけれど、大塚の訳は男のダメさ加減をこれでもか、と追及しているように読める。いや、大塚は、訳文中にはさんでいる、訳文の要約と自身の見解を記している「ひかりナビ」で、男のダメさ加減を主張している。私はこれを素直にとって、男はいかにダメな人間かということを身をもって感じ、辟易してしまった。

最後の「夢浮橋」の巻を電車のなかで読んでいた。ふと上を見上げると、そこには「アイススケートで表現した源氏物語」という広告があり、おもわずその偶然に驚いてしまった。

長いと思っていた源氏物語だったが、読み終えてみると寂しい。次は何を読もうか。家にあってまだ読んでいない長編もあるが、文庫本ではないので苦しい。借りてくる本なら何にしようか。後藤明生の「壁の中」は昔から読みたいと思っていたが、調子が出ない今日この頃、読み切れるだろうか。それから、もう30年以上前、同僚から「おまえはこれを読むべきだ」と言われて勧められた、モラヴィアの「軽蔑」がいいのだろうか。
[文芸]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット