急にこの曲を思い出した。ブラームスの曲の中では、好きな部類に入る。
元のヘンデルの主題であるが、ヘンデル自身が変奏曲として作っている。ブラームスはどういうつもりで、屋上屋を架すようなことを考えたのだろう。
ヘンデルの変奏曲のほうが、ブラームスより優れている、という人もいるらしい。私はヘンデルの変奏曲をそれほど聞いていないので断言はできないが、冗長なのはブラームスの変奏曲のほうだろう。
ブラームスの変奏曲には、最後にフーガがついている。これはどういうわけか「生煮えのポリッジ(おかゆ)と評されているが、これはショパンの書法に心酔する批評家の、ブラームスへの悪罵にすぎないから、多少は割り引いて考えよう。
詳しく述べると、この批評家はショパンのバラード第3番における属音の持続(クライマックス直前のGis音のオクターブ分散)を絶賛していた。返す刀でブラームスのフーガの同様な部分(ここではFのオクターブか)を斬った。
私は、この曲をシューラ・チェルカスキーの演奏で知った。今思えば、いい演奏だったのだろう。
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